11・2人の何気ない会話

第12話

「今日も遅いのか…」


家賃は払わなくていいって言われてそれならと

ご飯を作る約束を、無理矢理もぎ取った。


「パパはまた遅いみたいだね…」


恭一は、もうとっくに夢の中。おでこにキスをして部屋から出てリビングに向かう。


「まだ、起きていたのか?」

「あっ!おかえり」


たまたま廊下で会って急いで雅之の所に行く。


「ただいま。ご飯あるか?」

「うん、あるわ。食べて来なかったの?」


カバンを、持って一緒にリビングに向かう。

2人でこんな風に歩く事が夢みたいで嬉しい。


「あぁ。会食はあったけど食べた気がしない」

「そう。そっちの方が豪華な気がするけど?」


笑ってリビングに着いてカバンを椅子に置いて

急いでご飯の支度をする。


「遅くなると思ったし、呑んでくるって聞いたからお腹に優しいお粥にしたよ」


雅之に笑いかけた。

こんな風にずっと雅之に振る舞いたかった。


「真弥…」

「んっー?何?」


名前を呼ばれ返事をしたら後ろから手が回って来たら抱きしめられた。


「雅っ…!!」

「真弥…嬉しい。ありがとう」


両手が塞がっているからその隙を突いて私を後ろから抱きしめる。


「もおっ!!危ないから早く着替えて来て!!」

「あっー…はいはい。でもまだこのまま」


呑みすぎたんだなって思った。

甘える雅之は見た事ないから嬉しいけどこれを他の女性にもやった思うと心が一気に冷える。


「甘える人間が違うと思いますけど?そのまま

帰って来なくてもよかったのに」

「なんで?真弥と恭一が家に居るのに帰らないのはおかしいだろ?旦那として」

「!!」


嘘でも嬉しい言葉を言ってくれる。

きっと酔いに酔ってるから忘れちゃうんだと思うかど私は覚えてていい?

この先、1人でも育てれる様に。


「早く、着替えてきて」

「はいはーい」


フラフラしながら着替えに行った。

こんな時間あってもバチはあたらないよね?

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