10・パパらしく??

第11話

私は恭一を抱っこして貴重品のみ…身一つで雅之の家に来た。


「待っていたよ」

「これからお世話になります」


私たちは契約結婚で3年夫婦生活して離婚する。


「迎えに行ったのに断るな。もう1人の体じゃないだろ?」

「お断りします。私と恭一…2人で生きて来たの。今更頼れないわよ」

「これからは俺に頼れ」


頼り方なんて忘れてしまった。

雅之の所に住んでも頼っちゃいけない。


「ところでお前、荷物少なすぎだろ?」

「必要最低限よ?だからじゅうを提供してくれた時嬉しかったわ。家賃は半分こしてね!」


雅之に笑いかけたら次の瞬間には雅之の胸の中に入っていた。


「なっ…」

「そんな顔…他の男に絶対見せねぇー」


ボソッと何か言った気がするけど聞こえなく

慌てて離れようとしたら恭一を抱っこした雅之。


「雅之!」

「恭一だな。重いなぁー。ママを困らせるなよ」

「?。…っく」


知らない男の人に抱っこされて泣き出しそうになっており慌てて雅之から恭一を抱っこしようとしたら雅之に止められた。


「恭一が泣いちゃうわ」

「男なんだ。泣かせておけ。強くなるだろ?」


案の定、泣く恭一に雅之は笑って「泣け、泣け」と言って高い高いをしている。


「雅之!!」


初めて見る高い景色に恭一の泣きが止まって今度は笑ってる。


「おっ?笑ったな。面白いか?」

「ママ、ママ」

「楽しいね、良かったね。恭一」


高い高いが終わって雅之が改めて抱っこして

恭一と視線を合わせる。


「パパ?」

「違…」


違う…?

恭一には嘘はつきたくないけど、雅之は本当の

パパだけど恭一が自分の子供なんて知らない。


「恭一、パパだよ」

「!!」


今だけ真実を貫かせて。

今だけ、雅之の子供は恭一だと信じさせて。


「真弥?どうした?」

「えっ?なんでもない。2人可愛いなって」


嬉しくて悲しくて涙を流していた。


「なんだそれ?」


今だけ。3年間だけの間で良いから信じたい。

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