6・大学時代の記憶
第7話
「真弥ー、待ったか?」
「私も今着た所」
大学の同級生でサークルを通じて知り合った。
いつも女性が隣にいる雅之からの告白に最初
疑った。
「はっ?」
「はっ?って俺告白したよね?」
「しましたけど冗談は言わないで下さい」
真に受けずに同じ女性と一括りされたくなかったから手を振ってその場から立ち去ろうとしたのに腕を掴まれた。
「俺は真剣なんだ!付き合ってくれ」
「……はい」
真剣な目に絆された。
雅之は本当に私に真摯な振る舞いをしてくれた。
「真弥、好きだよ」
「私も好き」
初めて雅之とのキスはXmasのパーティーで
皆で集まって庭に設置されたツリーの目の前。
「真弥、大事にする」
「うん…。大事にして?」
2人ともお互い欲しくなって抱き合った。
「真弥ー」
「雅之!」
彼に見合う女性になろうと勉強した。
“可愛い”といつでも言ってもられる女性に捨てられない様に必死だった。
「今日も可愛い」
「ありがとう」
雅之が私を褒めると周りの女性陣からの痛い眼差しが突き刺さる。
そんな事、気にしていたら雅之と付き合えない。
「今日は元気ないね。大丈夫か?」
「うん。大丈夫」
雅之が私の頭を自分の肩に寄せて後ろから手を回してくれる。
「辛かったら言えよ?」
「うん。ありがとう」
“いつもの”は重くないのだけど精神的に参ってるかもしれない。
雅之と別れるのが一番良いのだと思うのだけど
別れたくない。
「真弥、好きだよ」
「!!」
私の額にキスをしてくれた。
「雅之!恥ずかしいよっ」
「お前の為ならいつでもキスを送る」
プッと笑ってみれば雅之は真っ赤になっていて
“お前だけだよ”といってくれる。
「私も貴方だけだよ?」
「真弥」
手を絡めて手を握り離れないように。
この先でこの手が離れるなんて思いもしなかった。
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