4・次期社長として紹介される
第5話
「朝礼の時間だよ」
「はい」
私の勤めてる部署は経理課。
私自身、任されている仕事は多いけどやり甲斐もある。
「次期社長が挨拶に来られる。皆、失礼のない
ように」
「はい」
ここの会社は始業前に朝礼をして仕事を始める。
今日は次期社長が挨拶に来ると言って社内がピリッとするけど私にとっては雲の上の人だから関係ないと思い書類を手に持っていたから下を向いてダメなんだけど書類に目を通す。
「紹介にあがりました。
「えっ?」
井口雅之?同姓同名??
違う人物だと言い聞かせて慌てて顔を上げた。
「!!」
バサバサッと書類を手から離してしまって周りの注目を浴びてしまった。
「あっ!ごめんなさい」
「草野くん!朝礼中に何を」
課長に後でしつこく怒られると思って憂鬱になりながら書類を拾ってあと一枚って所で誰かの手と一瞬重なった。
「!!」
「これで最後?もう大丈夫?」
「はい。ありがとうございました」
慌てて顔を上げて視線が合いドキッとしてしまい慌てて手を引っ込めたら相手は笑いながら私に書類を渡してくれた。
「井口雅之だ。よろしく、草野さん」
「……よろしくお願いします」
“また”ってこういう事だと思わなかった。
関連のない会社に入ったのに…!!
「草野さんのまとめた構成よく出来てるよ。
ねぇ、課長?」
「そうですね。草野さんは優秀ですから」
わざわざそんな事言わなくたっていいのに!
本当に嫌味な男!!
「課長、ここ全体を説明してくれるかな」
「はい。井口様」
課長と次期社長はフロアーから去って行った。
「助かりましたね!」
「えっ?……ええ」
同僚に言われてハッとした。
課長のお怒りを知っていたから助けてくれたの?
まさかね…。
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