第83話

LINEしてから、2時間後位にようやく優也から返信が来た


『ごめん!今、見た!まだいる?』


『いるよ』


『今から、急いで行くから、そこで待ってて!』


そう返信がきた直後、大急ぎで走ってくる優也が見えた



「ごめん!遅くなって!」


「全然、大丈夫だよ。返信来るまで、近くの雑貨屋さんで暇潰ししてたし!」


……本当は返信が来る一時間くらい前に雑貨屋さんを出て、ここに来てたんだけど


すると優也は、そんな私の考えを読み取ったように囁いた


「…鼻が赤くなってる……頬も……」


そう言って、両手で私の頬に触った後、自分が巻いていたマフラーを私に巻いてくれた


「…えっ?」


「汗臭かったらごめん……、撮影中は外してたんだけど、今してたからさ。……でも、それしか無いから我慢して……」


首に巻かれたマフラーからは優也の匂いがする

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