優也の夢、私の夢
第41話
「優也くんってかっこいいよねー!」
由香が、そんな事を言い出したのは、冬休みが明けてからだった―――
「優也くん、休みの間に何回かLINEしたんだけど、その度にマメに返信くれるし、『今日の実習キツかったー!』とか送ったら、『おつかれ』とか『無理しないで』とか必ず返してくれるのー!めちゃめちゃ優しいし、超ジェントルマンなのー!」
興奮冷めやらぬ様子で話続ける、由香を尻目に、私は何故か小さく落ち込んでいた
…あの中で、優也のLINEを知ってるのは、私だけだと思っていたのに…
由香も聞いてたんだ…
しかも、ちょこちょこLINEしてたんだ…
優也が優しいのなんて、私だって知ってるよ!
それなのに、私はというと、自分からLINEをした事がない上に、あの初詣以来、1度もLINEをしていない
そう落ち込む私をよそに、由香は相変わらず喋り続けていた
「もうー、あの顔で、性格もよくて、気が利くなんて罪だよ!私、マジで好きになっちゃったかも!」
そんな由香の言葉に、佐波は言いにくそうに口を挟んだ
「……でもさぁ………優也くんって、明らかに聖歌狙いだったよね……」
でも、それを聞いた由香は、落ち込む所か、私に勢いよく聞いてきた
「聖歌!あれから優也くんと付き合ってるの!?」
私は、由香のその勢いにたじろぎながらも、恐る恐る答えた
「つ、付き合ってないよ」
…と思う
多分
だって、恋愛経験のない私にはよく分からないけど、普通、付き合う時って、『付き合ってください』とか何とか、そういう言葉があって付き合うものでしょう?
でも、私と優也の間にそんなやり取りがあった事は1度もない
キスはした事あるけれど、おでこだし……
だから、付き合ってはいないと思う
…多分
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