第40話

それから優也は、私を家に送ってくれた


そして、帰り際、この間と同じく、おでこに優しくキスをした




2回目のキス



……おでこだけど





でも、私はこのキスの虜になりつつあった


優也にキスをされるのが、嬉しくて


このキスをされなくなったら、どうなってしまうんだろつ?とまで思った






でも、この時の私は、自分のこの気持ちがどういう気持ちなのか、それを言葉にする術を知らなかった


今は、こんなに自分の気持ちに素直になれてるのに


この時は、この気持ちの名前を知らなかった


自分の気持ちに気付いてなかった


バカだね


私は……


早く、この気持ちに気付いてさえいれば、あんな事にならずに済んだのに











「おやすみ、聖歌」



ビー玉の瞳は、この間と同じ言葉を残して去っていった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る