第37話

その帰り、さっきの甘酒屋の屋台の前を通った


「…あっ」


『ちょうと待ってて!』そう言って屋台に向かおうと思った時、ふと頭の中に1つの不安が芽生えた





…そもそも、優也は甘酒が好きなのだろうか?



ココアや午後ティーなら、嫌いという人は、そんなにいないだろう


それに、あの時は、ココアと午後ティー2本を買っていたのだから、もし万が一、どちらかが嫌いだとしても、もう片方を渡す事が出来る


でも、今は違う


選択肢は甘酒しか無いのだ


だから、もし優也が甘酒が嫌いだと言ったら、取り返しのつかない事になる


ましてや、甘酒はココアや午後ティー以上に好き嫌いが分かれる飲み物だ


そもそも、男の人というのは基本的に、甘酒は好きなものなのだろうか?


そんなの直接、本人に聞けば一発で分かるのだが、もし、そんな事をしたら、絶対、優也は私に払わせてはくれないだろう















そんな事を考えながら、悩んでいた時だった

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