第36話

「叶うと良いね」


私は気付いたら、自然とそう言っていた


他の子なら、このくらいの事、誰にでも、当たり前に言うのかもしれない


でも、私はこんな台詞をいうだけでも、凄く凄く緊張した


そんな私を見て、彼はいつもの優しい笑顔で言った


「…ありがとう。…聖歌もね」




…初めて、少しは気の利いた事が言えたのかもしれない



優也のその笑顔を見て、そう思った―――…

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