第35話

お賽銭を入れ、鈴を鳴らした後、私達は他の人よりも、人一倍長い時間、手を合わせていた


やがて、後ろの人達の視線が痛くなってきて、横に避けた時、私は優也に聞いた


「何をお願いしたの?」


すると彼は、いつもとは少し違う、強い瞳をして言った


「カメラマンになる夢が叶いますようにって」


それを聞いて、私は嬉しかった


だって、私と同じ願いだったから―――…


私も『ヘアメイクアーティストになる夢が叶いますように』ってお願いした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る