第38話

「あれ、甘酒屋あんじゃん。聖歌、甘酒飲める?」


いきなり、こちらを向いて、そう問い掛けてきた優也に、私は思わず頷いてしまった


すると優也は


「りょーかい!」


そう言った後、子供のような無邪気な笑顔で


「じゃー、ここで待ってて!俺、買ってくるから!」


そう言って、屋台に向かって走っていった



「…あっ、待って、優也!」


そう言って、慌てて後を追おうとするけど、人の波に邪魔されて、上手く優也の元に辿り着く事ができない














「…ありがとう」


「どういたしまして」


…結局、私は優也に甘酒をごちそうになった



お金は、また何だかんだ上手い事を言って、受け取ってはくれなかった―――…

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