第32話

バイトが終わり、待ち合わせ場所に着いたとき、ちょうど除夜の鐘とともに、どこからか深夜0時を知らせる放送が聞こえた


「…ごめん、遅くなって」


そう言うと、彼は笑って言った


「全然。俺も今、来た所だし」




…嘘つき


鼻が赤くなってるよ…



「そんな事より……あけおめ。……聖歌と一緒に年越せて良かった」


「…うん……あけおめ…」


…私も優也と、年を越せて本当に嬉しかったはずなのに……


またしても、それを言う事は出来なかった―――…










「じゃ、行こっか」


優也のその言葉を合図に、私達は神社に向かった




…実は、今日、私には心に決めている小さな事がある

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