第33話

それは優也に温かい飲み物を買うという事だ





―――あの日、クリスマスの日、優也は私に午後ティーを買ってくれた



あの時は、誕生日プレゼントだから、お金はいらないって言っていたけど、あの日、誕生日だったのは優也だって一緒だ


それなのに、例え飲み物1本とはいえ、してもらいっぱなしっていうのは、生真面目とか何とか言われようが、どうも私の性には合わない


だから今度は私が優也に温かい飲み物を買ってあげる


そう決めて、歩いている途中、何度もキョロキョロして自販機を探してみたけど、巡り会う事は出来なかった


そのうち優也に「何、キョロキョロしてるの?」って不思議そうな顔で聞かれたから、周りを見るのもやめた―――

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