第76話

「信長ーーーッ!」

「なんだ?イエス!お前、月にいなきゃいけないんじゃ...。」 

「俺にごめんなさいって、謝ってるアメリカ人女性がいる。彼女は自殺する気だ!止めてくれ!」

「分かった。イエス。」

「わしは、また月にもどらなきゃいけない。困ってる人が沢山いる。じゃあな。」

「ああ。」


「歳子、念じてみてくれないか?」

「分かったわ。」

「...。ペンシルヴァニア州...ハリスバーグ...ペンシルヴァニア州、ハリスバーグだわ!」

「よし!テレポートだ!」 


アメリカ、銃社会。

ペンシルヴァニア州、ハリスバーグのとある住宅。一人の30代の女性が自身の頭部に銃口を押し付けている。

「一刻を争う。歳子!現れよう!」

「分かったわ!」


「早まっちゃダメーーーッ!」

「止めないで!私はもう生きて行けないのっ!」

「イエス・キリスト、主を信じ抜いて!」

そう歳子が言うと、その女性は銃口を離し、泣き崩れた。

「なぜ、自殺しようとしたの?」

「夫の暴力に耐えかねて...。」


彼女の名は、アイリーン。毎日、毎日、夫からの暴力を受けていた。いわゆるDV。

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