第52話

「義弘。俺、ちょっと日本行ってくるわ。」

「何しに?昌景。」

「武田神社に我らのTーシャツ買いにね。王様が欲しいらしい。」

「たくっ。王様らしいな。そんなところ。」

「あとでな。」

「妖魔には、気をつけろよ!」

「わかってる。」


日本、武田神社。

「いやーー!やめてーー!誰か助けてーーー!!」

「んっ!?」

女子高生が3人の男に襲われている。

「けしからん!我らの神社で。しゃーない。でるか。」

昌景は、気づかれないようこの世に姿を現した。

「おいっ!」

「なんだぁ!てめえ!邪魔すんなよな!これからがいいところなんだよっ。」

「そうだな。これからがいいところだな。」

そう言うと昌景は3人の男を殴り倒し、蹴散らかした。3人の男は意識不明。

「現代の男は、弱いなぁ。素手でやったのに。」

「ぐすんっうっ...ひっく...。」

「もう大丈夫だ。安心しろ。」

「えっ...うっく...あっあなたは?」

「武田軍の四名臣、山県昌景だ。」

どうせ、すぐ去るからそう答えた。

「私、信じる!」

「ええーっ!?」

まずったなぁ。

「じゃっじゃあな君。気をつけて帰れよ。」

「まっ待って!」

女子高生は昌景の足を掴んだ。

ドッターン。

昌景は、顔を地面にぶつけた。

「って!たくっ。なんだ?」

「私、帰るお金持ってない。愛知から車でここまで連れてこられて。」

「ちょっと待ってろ。」

お賽銭箱はっと。 

「王様のTーシャツ代、多めに下さい。」

ポンッ。

よし。

「ほれ、お金だ!もう用はねーな。」

「待って!」

再び、女子高生は昌景の足を掴んだ。

ドッターン。

「って!またか!今度はなんだ?」

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