第46話

宇久が花梨の顔をのぞき込んだ。

「ゆでだこになってる。」

「キャッ。」

「そんなに驚かなくても。君、かわいいよ。もっと自信持って。」

「あっありがとう。」

花梨は、ほほが赤いまま答えた。

「僕の気に入ってる場所に連れてってあげる。」

「うっうん。」

そこは、丘の上。綺麗な景色が丘の上から、見える。

「わぁ!素敵!綺麗!」

「だろっ。悩みごとがあったら、ここへ来るんだ。」

「悩みごと?」

「人間なんだから、ひとつやふたつぐらい持ってるだろ。」

「こんな素敵な宇久君でも、悩みごともってるんだ。」

「だから、あんな男は忘れろ。」

「はい。宇久君。」

「宇久でいいよ。花梨。」

「はっはい。...宇久。」

花梨の頭の中は、宇久でいっぱいになってた。

「僕じゃダメ?前から見かけてて、気になってたんだ。名前も知らない女の子に。」

「こんな私でよかったら...。」

「謙遜しない!」

「はいぃ!」

「どこの神社に参ったの?」

「伊勢神宮。」

「一緒に今度、参ろう!」

「うん!」

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