第44話

「信玄がお前に会わせたい人がいるって。」

「信玄が?」

「とりあえず.行こう。」

「うん。」

歳子達は.信玄の屋敷へと向かった。

「よう参った。歳子殿。歳子殿に会わせたい人がいる。」

「歳子!」

「お...。お母さん!」

歳子の母親.奈美子は涙ぐんでいる。

「大丈夫だったの?どこも悪くない?お母さん.心配で心配で。」

「私は.大丈夫よ。お母さん.心配かけてごめんなさい。」

信長が言う。

「母君様。わたくしが悪いのです。どうか.お許しを。」

「謝らなくていいのよ。信玄様から全て.聞きました。」

「母君様。」

「歳子殿.そなたの母君は.そなたを探して.生気をなくした生活をしておった。見るに見かねて.わしが迎えに行ったのじゃ。」

信玄は.何やら照れている。

「歳子.お母さん.再婚したの。」

「誰と?まっまさか信玄!?」

「そうよ。」

「信玄が私の新しいお父さん!?」

「ふっ不服かね?」

信玄は恐る恐る歳子に聞いた。

「ううん!うれしい!私にもお父さんができた!私が幼い頃にお父さん.死んじゃったから。あっ!私の死んだお父さんは?」

「歳子.生まれ変わったのよ。」

「そっか。」


「歳子.行くぞ!」

「どこに?」

「恋が実りますようにってやつ!」

「あっうん!お母さん達.仲良くね!」

「そうじゃの。奈美子殿とわしとは...。」

「あなた.もういないわよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る