第3話

休憩中。

「斉藤さん、石田さんにきつく当たらないでくれない?」

「なに、平井さん、石田さんのこと好きなの!?患者に恋愛感情もっちゃいけないんですからね!師長さんに言うわよ!」

「別に恋愛感情なんかもっちゃいねーよ。」

「なら、いいけど。」

嘘。俺は石田さんに恋愛感情を抱いている。これが俺の秘密。

「平井さん、今度飲みに行こうよ!」

まただ。ひつこい。

「ごめん。忙しいから。」

「いつもそうやって、断るんだから。私の気持ち知ってるでしょ!」

「社内恋愛、興味ないから。」

「冷たいわね。石田さんとは楽しそうに話してるのに。」

「休憩、終わりだ。」

そうさ。患者との恋愛はご法度。この気持ち、隠すしかない、、、。


「平井君!」

「なあに?石田さん。」

「今、天から神が降ってきて、私の恋人は織田信長で、平井君の恋人はお市だって!私達、義理の兄妹だね!仲良くしよう!」

「そうだね。」

義理の兄妹かぁ。石田さんは病気だから仕方ないけど、俺に対して恋愛感情は全くないのかな、、、。他の患者は結構、告ってくるけど、、、。ちょっと悲しい。

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