第19話
「あ、あのぉ…、どうしてここにいらっしゃるのでしょうか…」
「スズ、久しぶりだな。会いたかった」
「今朝会ったばっかりだろ」
的確の突込みを入れるバンドウアオだが、全く耳にしていない乱さん。……この2人って一体、どういう関係なんだろうか?確か、乱さんの方が年下のはずだけど、いまいち位置関係が理解できていなかった。
今まで寝ていたタダアイは『んー!』と背を伸ばして、ぼうっと私達を見つめてくる。
「……ああ、箱入りちゃん。ようやく来たんだ」
「え、えっと、これは一体…」
「ああ。乱が家庭科室に入った瞬間に、机蹴り始めちゃってね。そしたら、全員出て行ったよ」
何やってんだ、お前。
言いたくても言えない。目で訴えていると、じっと私を見下ろした乱さん。あ、分かったかな?分かっちゃったかな?少し怖くなって、一歩下がると乱さんはぐいっと顔を近づけてきた。
「俺達の感動の再会に他の奴らがいたら、邪魔だろ?」
―――…見当違いの答えが返ってきたけども。
私、どうしてこんな人と兄妹になってしまったのでしょうか?誰か、この状況変わっていただけないでしょうか?
流石に他の2人は乱さんのやり方はおかしいと気付いているのか、溜息を吐いている者と苦笑いをしている者がいた。いや、分かっているなら止めてくれ。この人を止められるのは君達だけなんじゃないの?
「感動の再会ってほどのもんじゃねえだろうが。……和、こいつどうにかしろ」
「無理だよ。乱をどうにかできるのって、箱入りちゃんくらいじゃない?」
いや、何で私を巻き込む?私が彼をどうにかできるわけがないだろう。むしろ、したくもないよ。
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