第15話
「と、とと、轟先輩…っ、こ、こ、こんにちは…!」
ドモりすぎた。物凄いドモった。滅茶苦茶恥ずかしいくらいドモった。後ろにいたタダアイと思われる金髪が大爆笑している。いや、これは客観的に見たら物凄い笑えるレベルだよ。
「ははは、まさかこんなに面白い子だったとは…っ!乱、この子がお前の噂の箱入り娘?」
「娘じゃない。妹だ」
大真面目に返す乱さんに呆れてしまう。……じゃなくて、え!!??妹って言っちゃうの!?ここで!?というか、箱入り娘って何!?噂って何!?
分からないことだらけで困惑している私に一番後ろで見ていたバンドウアオが大きく溜息を吐いた。
「こんなのがオニイチャンとか可哀相だな、フーリン」
「ふ、ふーりん?」
「あ?お前、フーリンって名前なんだろ?」
「い、い、いえ、私は斑目カゼスズです」
「……え?マジで?俺、ずっとこいつのことフーリンだと思ってたわ」
「へえ、あれでカゼスズちゃんって読むんだねぇ。……じゃあ、箱入りちゃんでいいよね」
何故?私の名前と全く関係ないよね、そのあだ名。バンドウアオは『じゃあ、俺はお前をフーリンって呼ぶ』と言われてしまう。え?何で私達、友達になりましたよ的な流れになってるの?なってないよ?むしろ、なりたくないよ?
「あ、あの…」
「あ、この人は葱さんだよ。ネギさんって呼んであげて」
「おい、和。テメエ、ふざけてんじゃねえぞ」
「うーん、あんまりふざけてはないかな」
「……そーかよ」
ね、ネギさん?え、ネギさんって呼んでいいの?こんな怖い人を?
「ね、ネギさ」
「あ?」
―――…呼ぶ前に威嚇されました。何で私だけこんな目にあっているのでしょうか?
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