第20話
―――…
寧々が帰ってからすぐ、桐鵺が乗っている車内にて。
「えー、やばー。寧々ちゃんマジで天使じゃん。可愛過ぎじゃん、あんな可愛い生物、生きてるだけで感謝なんですけどー」
「確かにな。寧々ちゃんは息をしているだけでも可愛いのに、あんなふうにファンサしてくれるなんて女神だろ?寧々ちゃんはファンの前ではあんなに恥ずかしがって可愛い姿を見せてくれるんだなー。萌えー。…………いや、てか、お前。なに、俺の寧々ちゃんに話しかけてんの?俺の寧々ちゃんと目を合わせるなんて、万死に値するんだけど?」
「は!アンタに何を言われようと痛くも痒くないんだけど!これを見よ!!アンタが撮影なんて抜かしてる間に私は寧々ちゃんから名前を呼ばれるという偉業を成し遂げたのよ!!!アンタが仕事なんてしてる間にね!!」
「な!!今すぐ消せ!!いや、俺がそのスマフォを抹消してやる!!貸せ!!」
「やなこった!!!大体、アンタ、ファンを出し抜いて寧々ちゃんと結婚までしたくせに何言ってんのよ!!ずるいわよ!!」
「は、仕方ないんだ。俺と寧々ちゃんは運命の赤い糸で結ばれていたんだよ。それはもう、世の理だったんだ」
「うざアアアア!!!まじ、うざアアアア!!さっさとお前だけ滅んで、寧々ちゃんを私に差し出せ!!」
「ふざけんな!!レズ野郎!!」
わいわいわいと後部座席で争っている千草桐鵺26歳と、
―――…どちらもStrawberry寧々担。通称、同担拒否。
「……お前ら、喧嘩なら他所でやれ」
どうしてこんな奴らの側で俺は仕事をしているんだろう、と遠い目で2人を見ていた池崎静雄、34歳であった。
「奥様は恥ずかしがり屋です」
恥ずかしがっている奥様が可愛過ぎて仕方がない旦那様
メス犬すらも近づくことを許しません
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