歌声

「そう言う事か」

「監視カメラで色々調べてみたけど、ほぼ毎日海に行ってるね。その子、男性恐怖症で病院通ってるみたいだけど、少しは良くなったのかな?龍牙会った時どうだった?」

「いや、特に怖がってる様子はなかったな」

「ふーん。それにしても夜中に海に行ってるから何もなきゃいいけど」

「ああ。今日も居るか?」

「居るかもね。行ってみたらいいんじゃない?」

「行ってみるか」

「本当に?嘘、こんな若頭初めて見た」


蓮を睨んだが、俺でも初めてだと思う。こんな感情、行動。俺でも驚いている。


時間が過ぎ23時少し前。蓮が監視カメラで調べると行く途中の様だ。支度をし、ビルを出る。


0時過ぎに海に着く。車を出ると歌声が聞こえてきた。俺と蓮はその歌をしばらく聞いていた。


「聞いた事ない歌だな。悲しくて寂しい歌」


俺以外には本性を隠して見せない様な奴が、歌を真剣に聞いていた。

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