誰かの最期

掌を見るとノイズが入る様に血がべっとりついている幻覚が見える。

それをぼーっと見つめる。

やがて掌から目を離すとふらふらとお風呂場へ向かう。インベントリからナイフを取り出し自分を殺す。

気づくと周りは真っ赤に染まっていた。

その血からまた誰かの最期を思い出す。


「光集い、癒して♫」


浄化をし、ナイフをしまうとふらふらと部屋へ戻る。

あっという間に時間は過ぎていて部屋には夕日の明かりが差し込んでる。

それをまたぼーっと見つめる。

ふと、あの人の顔が浮かぶ。


「あの人はどんな人なんだろう」


その言葉を耳にしてぶんぶんと頭を振る。

巻き込んじゃ、だめ。

頼っちゃ、だめ。

きっと巻き込む。そんなこと出来ない。

期待しちゃ、だめ。

もぞもぞとベッドへ入り込む。

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