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「はい、これ美桜のね」


暁人さんが、コップにお茶を入れて渡してくれた。


「ありがとうございます。暁人さん」


「敬語無しで、呼び捨てでいいって。もう仲間なんだし」


「そうだよ。美桜ちゃん」


優しい人たちだな。


私に仲間ができたんだ。


今日の夜ご飯は、パスタだった。


金、土、日と長期休みや祝日の夜は、基本みんないるから、こうやって集まって食べるみたい。


楽しそうだな。


「美桜さん、このくらいでいいですか?」


赤髪の男の子が聞いてきた。


「うん。ありがとう。えーと…」


「俺、慎司っていいます!」


ニカッと笑うと、八重歯が特徴。


「ありがとう。慎司くん」


「呼び捨てでいいっすよ!」


「わかった」


私は慎司から、お皿を受け取った。


慎司は、高一みたい。


中三から、桜綺にいるみたい。


みんなにパスタがいきわたったら、來斗の合図で食べ始めた。


にしても、みんなすごい量食べるな〜。


私の倍以上あるんじゃない?


まぁ、育ち盛りだしね。


「美桜、そんだけでたりるか?」


横に座ってる來斗が聞いてきた。


「足りるよ。普段これより少ない時あるよ」


「だから細いんだ。もっと食べろ」


別に細くないけど?


いつも朝はヨーグルトだけの時もあるし、食べない時もある。


夜もサラダだけの時もある。


元々少食なんだと思う。


1人だと、簡単に済ませちゃってたから。


ご飯が食べ終わり、みんなで片付けをして私は先にお風呂に入った。


「來斗、お風呂上がったよ」


「俺も入ってくる」


一人になって、私は携帯を開いた。


そう言えば、今日1回も見てなかったな。


メールが一件きていた。


【やっと家を出ていってくれて、ありがとう♡】


誰からかは書いてなかったけど、多分美羽だろう。


てか、なんで私の連絡先知ってるの?


教えたことないと思うんだけど。


お母さんかお父さんが、教えたんだろう。


わざわざ送ってこなくていいのに。


月曜日学校行ったら、噂になってるんだろな〜。


行きたくないけど、将来の為に高校は卒業しときたい。


「どうした。なんか悩んでるのか?」


來斗がお風呂から、上がってきた。


「ううん。何も無いよ。あ、生活費いくら渡せばいい?」


「要らねぇよ。ここにいるヤツらも払ってないし」


「そういう訳にはいかないよ。私、チームでもないのに」


「もう仲間だろ」


來斗はそう言うと、私の頭をポンポンしてきた。


「明日、制服取りに行くからな」


「わかった」


制服の事、忘れてた。


制服取りに行くって、來斗が連絡してくれたのかな?


來斗は同じ学校じゃないから、学校関係者が身内にいるとか?


理事長に家の事、話してる方がいいよね?


でも、もう連絡いってるかも。


眠くなってきたので、髪の毛を乾かした。

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