14ページ

華恋が笑いながら言った。


「だって、美人じゃないし、今まで言われた事なんてないし…」


「美桜は美人だし可愛いぞ。可愛いって言うより、綺麗系だな」


サラッと真顔で言った來斗。


「本当に、そんな事ないから」


『無自覚天然』


來斗たち5人が、声を揃えて言った。


「で、來斗さんの彼女っすか!?」


「あ、違うよ。來斗には助けてもらって、彼女じゃないよ」


「ハッキリ言われて、可哀想(笑)」と大輝さんは、笑っていた。


「ちょうどいいし、自己紹介しとく。今日から仲間になった、美桜だ。しばらくここに住むことになった」


「よ、よろしくお願いします」


『お願いします!!』


ここにいた全員がいうから、倉庫に響き渡った。


私たちは、朝いた部屋に上がった。


私は朝と同じで、來斗の横に座った。


「美桜、さっきの男と知り合いか?」


さっきの男?


「路地裏で絡まれてたやつ」


あ、その人か。


「ううん。知らない人。多分美羽が過去に遊んだ男だと思う。私に変装して遊んでるから、みんな私と間違うし、美羽が勝手に私の名前使ってるみたい」


「何それ!?ありえない!」


華恋が怒った。


「これからはなるべく、一人で行動するな。どこか行く時は俺を呼べ」


「でも、迷惑じゃ…」


「迷惑じゃねーよ」


來斗はそう言うけど、本当に迷惑じゃないのかなと思った。


今まで「迷惑でしかない」って、言われ続けてきたから。


「美桜、荷物整理するか?」


「あ、うん」


「じゃあ、俺ら部屋に行くから」


私と來斗は、昨日と同じ部屋に行った。


ここは、來斗の部屋みたい。


「美桜、寝る時ベット使えよ。俺はソファーで寝るから」


「ダメダメ!私がソファーで寝るよ!」


「女をソファーで寝かすわけには、いかねぇだろ」


「あ、だったら一緒にねる?」


「は?」


え、変な事言ったかな?


來斗、固まってるし。


「だってお互い譲らないし…。一緒に寝たらいいかなって」


何も言ってこない來斗。


広さ的にダブルだから、2人で寝ても狭くないと思う。


「嫌だったらいいの。ごめんね」


「嫌とかじゃねぇ」


やっと喋った來斗。


「意味わかって言ってんのか?」


「意味?」


來斗はため息をつくなり、「やっぱりな」と言った。


「來斗?」


「なんもねぇ。はぁ、耐えるしかねぇ」


耐えるって?


よく分からない。


荷物整理してると、もう夜だった。


コンコン…


「來斗、美桜。ご飯どこで食べる?」


陸斗さんが、ドア越しで言ってきた。


「あー、そっちいくわ」


「了解」


私と來斗は、部屋を出て1階におりた。


ご飯はみんなで、下で食べるみたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る