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携帯で口座確認すると、数百万振り込まれていた。
ハハ。
手切れ金ってやつ?
お金なんかいらないのに。
また泣けてきた。
荷物全部置いてきちゃった。
携帯と財布しかもってきてないや。
必要最低限のものは取りに行きたいけど、家にはもう帰りたくないし…。
物自体すくないし、これは絶対ってものないし、新しく買い直そうかな。
教科書は全部学校だから、カバンと制服は買わないといけない。
もう21時だがら、今日はネカフェに泊まろ。
明日が土曜日でよかった。
学校に行って、制服とカバン貰いに行こう。
土曜日だけど、理事長はいると思うから。
お風呂上がったら、ネカフェに行って明日から泊まるホテル探して、明日は学校行って、必要なもの買いに行って。
なるべく安いホテルに泊まって、早く一人暮らしするとこ見つけないと。
私は身体が温もったので、お風呂を上がり、さっきの部屋に戻った。
「あ、あのお風呂ありがとうございました。後、服も」
多分、誰かが買いに行ってくれたんだろう。
服も下着も新しいのだった。
「あぁ。お腹すいてるだろ?簡単にご飯作ったから」
テーブルの上には、オムライスが置かれていた。
「いや、そこまで悪いです」
ぐぅ〜…
タイミング…
「ほら、お腹すいてるんだろ」
「す、すみません」
私はご飯も頂くことにした。
「いただきます」
「どうぞ」
パク…
「美味しい…」
「それは良かった」
人に作ってもらったのって、いつ以来だろ。
「どうした?」
「え?」
「泣いてるぞ」
泣いてる?
目を触ると、涙が溜まっていた。
「ご飯を人に作って貰ったのが、嬉しくて。普段は一人で食べるし」
「そうか」
それ以上、何も聞いてこなかった。
「ご馳走様でした」
「どういたしまして」
男の人は、食器を片付けに行った。
マグカップ2つを持って、戻ってきた。
「紅茶でよかったか?」
「はい。ありがとうございます」
「まだ名前聞いてなかったな。俺は、東郷 來斗」
名前…
見捨てられたのに、なんて言ったらいいの?
天原って言ったら、すぐバレそう。
下だけでいいかな?
「美桜」
「上は?」
やっぱり言わないといけないよね。
「天原…。天原 美桜」
「天原って、財閥のか?」
やっぱり知ってるよね…。
私は頷いた。
「追い出されたって言ってたけど、あそこの家族は仲がいいってきくぞ。それに噂では、娘の髪色は茶髪だって」
「それは双子の妹の美羽。周りから見たら、幸せそうな仲のいい家族。けどそれは、私を除いての。小さい頃から、親に愛された記憶なんかんない。私は可愛くないからって。親は兄と妹さえいればいいの。だから私を追い出したの」
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