第9話

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17歳の冬


その頃の僕は何を見ても何を聞いてもそこに感情を持てなかった。同世代が世界に羽ばたく姿を見て応援をする同級生に素直に共感が出来ずにいた。

いつものように夕飯までに近所の公園を散歩しキラキラと輝くイルミネーションを見ながら心躍る瞬間を待っていた。



待っても待っても訪れないと思っていたときだった。

















?   すみません。ちょっといい?


北斗  はい。


?   君、うちの事務所に入りなよ。






見せられた名刺は誰もが知る

沙耶を何度もスカウトをしていた巨大プロダクションが記載されていた
















何をしても楽しくなかった日々


何かしてみようとは思えてきた頃だった


沙耶の手掛かりがでるかもしれない










北斗  やります。なんでも。


?   君はきっとスターになるね。

    13時にここに来て。レッスンするよ












北斗が所属する芸能プロダクション「西村プロダクション」は50年の歴史を持つアイドル、俳優、モデルをこれでもかというほど生み出してきた名プロダクションだった


北斗は入所1年18歳でダンスボーカルグループ「N.title」に加入




ー結成5年ー




最先端のメロディーラインとJ-popの歌詞の情緒をふんだんに取り入れた曲とダンススキルの高さでアジアであっという間に人気を誇るグループとなったのだった

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