第3話

「だから、なんで、僕の部屋にいるの?」


お風呂に入り、海斗の隣の、自分の部屋に戻ると、彼にベットを占領されていた。


「一緒に寝ようよ、たまには」


「たまには、って、ここ毎日でしょ。シングルに二人はきついし、暑苦しいし・・・って、か、海斗!」


ぐいっと、手を引っ張られ、ベットに引きずり込まれた。


「ナオの匂い、好き」


むぎゅーとハグされ、頬をスリスリされ。


あっ、暑苦しい・・・。


身を捩って、逃げようとしたけど。

今度は、腰に、腕が回ってきて。


「ナオ、寝るよ」


って、海斗!


焦る僕には、お構いなしで。

何気に僕のに当たってるんだけど・・・そ、その・・・股間が・・・すでにカタチを変えているのが。


「ナオの、心臓の音、ヤバイくらい早いよ。何、動揺してんの」


くすくすと、笑われた。

流石、幼な馴染み。

彼は、僕の事、なんでも知ってる。

余計な事まで。


「動揺してない」


ぷいっと、そっぽ向いて、寝たフリを決め込んだ。


「ぜってぇ、分かってないだろう。毎日、こんだけアピールしてんのに。本当に鈍感なんだから」


「アピールって!?」


「だから、甘えん坊のフリして・・・」


そう言うと、いつものように、優しくハグして、頬っぺたに軽くチュッとされた。


「フリしないと、変に思われて、警戒されるだけだろ!?男同士なのに、ベタベタし過ぎだって。昨日、あのまま、寝込みを襲えば良かった!?」


意地悪な笑みを浮かべる海斗。


寝込みを襲う⁉


いまいち、言葉の意味が分からなくて。

でも、昨晩の事を思い出したら、顔から火が出そうになった。


「か、海斗、そ、その」


「不思議なんだよね。ナオにしか反応しないだ」


そう言って、僕の手を掴み、自身の股間へとあてがう。

そこは、すでに、形を変え、大きく反応していた。


「海斗、やっ・・・ん」


逃げようとしたけど、扉に体を押し付けられ、唇を奪われた。

さっきみたく、触れただけではなく。

もっと、激しく、濃厚に。


「うっ、んん」


息継ぎが出来なくて、苦しくて、手をばたつかせると、


「口、少し開けてみ」


言われた通りにすると、ぬるっと、熱い、彼の舌が口腔内に浸入してきて、好きなように弄ばれた。


「ふぅ・・・ん」


やっと、唇が離れ、息が出来るようになって、海斗を見上げると。


「目がとろんとしてて、可愛い。そんなに、良かった⁉」


って、そんな顔してた僕?

 

うっとりした眼差しを向けられ、口の端に溢れ落ちた唾液を指で拭ってくれて。

また、抱き寄せられ。


「槙に、指一本触れさせるなよ」


脅すように、低い声で耳元に囁かれた。

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