第39話

その日の夜、嵯多彦さたひこは計画を練っていた。


「皇子のいる部屋も分かったし、見張りの奴らの位置も大体把握出来た。

ただちょっと皇子を刺激し過ぎたのが悪く、変に警戒されてしまったみたいだ」


するとふと部屋の外から話し声が聞こえてきた。


「もうすぐ収穫祭の時期だな」


「あぁ、そうだな。今年の収穫祭は大君がされるが、今回は皇子も補佐に回るだろうし」


「明日はその準備で忙しいだろうな」


(なる程、明日は少し手薄になるかもしれない。)


嵯多彦にはある案が浮かんでいた。


あとは瑞歯別彦皇子みずはわけのおうじが素直に動くかどうかだげだな。



それから、嵯多彦は早速その準備に取り掛かる事にした。

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