瑞歯別皇子の危機
第31話
佐由良が
そんな中、新たな事件が起ころうとしていた。
先の大君、
磐之媛は豪族葛城の姫で、大和と葛城との政略結婚であった。
ただこの時代、一族同士の政略的な結婚は珍しいものではなく、当たり前のように行われていた。
磐之媛の婚姻のお陰で、葛城は大きな権力を持ち合わせるようになった。
磐之媛命の従兄弟にあたる
そして従兄弟の磐之媛を一途に慕っていたが、彼女は大雀大王に嫁ぎ、そして亡くなってしまった。
その為大和に対して恨みを持っていた。
「今の
とすると、先に瑞歯別皇子を殺した方が良いか。そうすれば大和もだいぶぐらつくはずだ」
彼の目的は、大和そのものを滅ぼし、そして自分自身が大きな権力を得る事だった。
「とりあえず、準備を始めるか。そして最終的に皇子が油断した所で一気に止めをさす」
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