第71話
「七海、もう海入んないの?」
「ずいぶん泳いだからちょっと疲れちゃって」
「じゃあ……そろそろこの旅の本番、行きますか」
待ってました!と立ち上がり、私たちは荷物をまとめて海を後にした。
さすがに自転車での移動は難しいとみて、タクシーで栄えた石垣市内まで向かい、民宿で教えてもらったレストランへ。
昔ながらの喫茶店のような内観。
夕食の時間にも少し早かったせいか、客はまだまばらだった。
テーブル席に着くなりカナメは店員を呼びつけてこう言った。
「この店で一番高くて、美味しい石坂牛のステーキを2つ」
注文からほどなくして厚い鉄板の上に乗せられた念願の高級石垣牛のステーキが運ばれてきた。
私たちが石垣島にきた本来の目的がこれだ。
私が石坂牛を食べたい、と言わなければ間違いなく石垣島に来る予定もなかったわけだから。
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