第70話
スマホに通知がいくつかきていた。
どうやらさっきの投稿で、フォロワーがまた少し増えたらしい。
誰かに見られていると思うと、やる気も同じ割合で湧いてくるものらしい。
続けて連投する。
〉死ぬまでに今まで出来なかった色んなことをするつもり。ぜひ見守ってください。
海から上がってきたカナメが、髪を振り水しぶきを飛ばしながらこちらに向かって歩いてくる。
縦に割れた腹筋に太陽が反射して陰影を作っている。
それはもう、幼い頃の彼ではなかった。
妙に生々しくてつい、目を逸らす。
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