第67話
『まじ?』『自殺は絶対にだめです』
『二人ってカップル?』『生きてください』
今まで誰にも見られていなかったアカウントに、フォロワーが一気に5人も増えた。
どうやらこの世の中には自殺に興味のある人間が一定数はいるらしいということはわかった。
午後は民泊でお勧めされた米原の海に向かい、全く人間を恐れない色鮮やかな魚たちと共にシュノーケリングを楽しんだ。
民宿で渡されたパン屑を巻くと、魚たちは一斉に群がってきて、カナメは一度、指ごと食べられかけていた。
ちなみに私の水着姿を見たカナメの第一声は「ふうん」だった。
想定内だ。
大きな魚を見つけるたび、お互いに呼び合って水の中で言葉にならない会話を交わした。
疲れては浜辺で休み、ヤドカリや小さなカニを追いかけながら体を乾かし、また海に入る。
何も考えず、ただ遊ぶことだけに注力していた子供頃に戻ったみたいだった。
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