第68話

浜辺でタオルに包まり休みながら、そこから見える海を写真に収める。



〉#死ぬまであと30日。弾丸で石垣島に来た 



という投稿とともに、さっき撮った川平湾の写真と米原の海の写真をアップする。




スマホを置き、レジャーシートを引いた砂浜の上にごろんと寝転がる。



セルリアンブルーの空に、飛行機雲が柔らかな線を描いていた。


私、あそこに乗っていたんだ、と思うととんでもない偉業を成し遂げたような気になる。


石垣島の赤熱の太陽が、じりじりと無防備な私の肌を焼いていく。



今朝、東京から飛び出してきてから私の見る世界は、どこまでも青くて、眩しかった。


高いビルに切り取られた空や、汚染され黒光する海、そんなものばかり当然の如く見ていた私にとって空から見た景色や、この島の色彩美には何か揺さぶられるものがあった。

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