第50話
それに彼氏でもないカナメに、気の利いた言葉を求めようとする方が間違っている。
今季流行だというバッククロスのワンピースタイプの水着を買い、旅グッズを揃え、紙袋をぶら下げながら駅へ向かう送迎バスに乗り込んだ。
「あれ、月島さん?」
驚いて振り返ると、後ろの席でリカちゃんがこちらに向かって手を振っていた。
偶然同じバスに乗り合わせたらしい。
まさかまた彼女に会うことになるなんて思いもしなかった。
バッサリ髪切ってるから誰かと思っちゃった、と隣の席に置いていた荷物を膝に置き直し、そこに私を座らせる。
お盆に贈るお供えの品を選びにデパートにきていたそうだ。
袖部分がやや透けたブラウスに麻のスカートが涼しげで白い肌の彼女によく似合っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます