第49話

2


 カナメの提案に、急遽水着や必要なものを調達するべく電車とバスに揺られてデパートへ買いに出かけた。



8月に入り、太陽は益々張り切って私たちの体力を削っていく。



毎年少しずつ、少しずつ、暑さが増していっているような気がした。


いったい日本の夏はどこまで熱くなるのだろう。



そのうち一年中常夏気分な浮かれた国にでもなるつもりだろうか。


まあ、その頃私は生きていないけれど。




冷房の効いた特設の水着売り場で適当な水着を探す。



幼い頃はカナメと海やプールに行ったこともあるが、物心ついてからは一度もない。


幼なじみとはいえ男女でそういう場所に出かけるにはさすがに気が引けるからだ。



水着を選びながらカナメのことを考えていた。もしこの水着を着たら彼はどんな反応をするだろう。


体も成長したとはいえ、男の人の視線を奪えるような変化はまるで遂げていないし、彼のことだ。



大した反応もないだろう。

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