アイスを啜りながらテレビをつけ、録画していたアニメを再生する。

その中で海賊王を目指す主人公が巨大な骨つき肉を豪快にかじりついていた。

アイスを咥えながら、カナメが思い出したように口を開く。

「七海が死ぬ前に食べたいものって何？」

聞かれて悩んだ末、お寿司かなぁと無難に答える。

ふうん、と何だかつまらなそうに鼻を鳴らす彼に、同じ質問を返してみる。

「とりあえず、巨大骨付き肉」

テレビに影響されすぎていて、思わず鼻で笑ってしまった。

「それなら私は、蟹とフグと山盛りウニと…、キャビアって食べたことないから食べてみたいし、……あ、あと石垣牛！今保健室で石垣島のパズルやってて、リカちゃんが石垣島出身ですっごく美味しいって前話してたから」

「じゃあそれ全部食べよう」

「え、でも全部食べたらいくらかかるの」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい