第24話

「……じゃあ、どうすればいいの」


「自殺するなら本当は首吊りが一番いいらしいよ。ほとんど苦しまないし、成功確率も高い。でもやる前にトイレに行っとかないとおしっこ垂れ流すって」



「絶対やだ!」というと、彼はふっと笑いながらまた鉄柵を飛び越えてこちら側に戻ってきた。安堵のため息が出る。



どちらからともなく、二人で鉄柵に凭れながらしゃがみこむ。



「睡眠薬とかは?」


「今の薬って簡単には死なないように出来てるらしい。市販のだと特に。金もそれなりにかかるし」


「駅で飛び込みとか?」


「でもあれ、遺体処理するのってその電車を運転してた運転手なんだって。さすがに可哀想じゃん」


「まあ確かに」


「じゃあ練炭とか硫化水素は?」


「それはアリだけど、どこですんの?家?そしたら俺たちの家、間違いなく曰く付き物件になるけど」


「親にこれ以上迷惑かけるのはあんまり……」



そう呟く私を隣で見ていたカナメは、膝の上で頬杖をつきながら肩を竦めた。

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