第15話

プレッシャーを感じながら期待を背負うか、自分だけ期待されない劣等感に苦しむか、あの親の子に生まれたら選択はこの二択しかない。



少なくとも保健室登校の娘、のままでは今度こそ家にさえ居場所をなくしてしまう。



「……今日は行ってみようかな」



意外な答えだったのか、リカちゃんは目を丸くして私を見つめた。



「本当に大丈夫?無理しなくていいのよ」



と心配する彼女に首を横に振る。



「いい加減、教室に戻らないと。親も心配するし、留年はしたくないんだ。それになんか今日は少し行けそうな気がする」



何の根拠もなかったが、人の自信なんていつもそんなものだ。


教師としてはどうかと思うほど、その後しばらく熱心に引き止められたが、とうとう根負けしたリカちゃんは何かあればすぐに言って、と付け加えて私を送り出した。

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