第3話

「……そんな言い方しなくても。他人への迷惑とか、そういうことも考えられないくらい追い詰められてたのかもしれないし」



思わず口走った私を、三人が揃って凝視した。



「え、何? 私たちがひどいって言いたいの?」


「いや、そういうわけじゃないけど……」



慌てて弁解したが、その中の一人が思いついたように呟いた。



「じゃあさ、七海ななみに教えてもらおうよ? その子がどんな気持ちだったのか」



嫌な予感に逃げ出す間も無く、私の肩をきつく掴みながらにっこりと微笑む彼女の眼光の奥に、鋭い銃口が影を潜めていた。


思わず生唾を飲み、張り詰める空気に鼓膜が圧迫される。



そのまま有無言わさずに駅のホームまで連れてこられると、一人が耳元で囁いた。



「教えてくれるでしょ?……だって友達だもんね?」



ホームには一秒毎に人が増えていき、その数だけ鼓動が内から激しく胸を叩きつける。


一体、私は何をさせられるのだろう。


最悪の想定に考えを巡らせていると、ホームに電車到着のアナウンスが流れ始める。

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