第5話 夢を叶えるのが条件!?

「王様、それはちょっとわかりにくいなぁ。それよりも、まず、改めて自己紹介した方がいいか?俺はリアム・ヴァン」


「私はソフィア・シャーマだよ!でこちらが、王女様で、フェリシア・リヴィエール様!」


「ソフィア、先に言わないでちょうだい?まあとにかく、よろしくね瑠歌さん。こういう感じだけれど、実は2人は貴族で、そこそこ偉いのよ。」 


2人ってそんなに偉かったんだ…無礼な態度とってたらどうしよう。

それにしても、3人の仲はとても良いんだなぁ。朗らかな雰囲気なのがわかる。


初めて会った人もいるから、私も自己紹介しなきゃ。

「南 瑠歌です。よろしくお願いします。」

ハキハキとした声でしっかりと言うことができたと思う。私はけっこう物怖じしないんだよね。


それから、色々説明してもらった。


王族には、誰かを別の世界から招待することが許されているらしい。

王女様はフェリシアさんの他にもう1人いて、

その人が私のことを招待したらしい。


でも、色々な情報を持って帰られるわけだから、この世界に利益をもたらすということが条件らしい。

何も知らずに来ちゃった。

私は利益をもたらすなんてたいそうな事はできない気がする。

どうすればいいんだろう。


そんな私の不安を感じ取ったのか、フェリシアさんは、

「利益をもたらすというのも、そんなに難しいことではないわ。あなたには夢を叶えてもらいたいの。」

と言った。


そんなことでいいのかな?私にしかメリットがない様に思えるけど…

それに、それが利益をもたらすもいう気もしない。


「貴方でいえば、かぼちゃの馬車を作ることかしら?その作り方を教えて欲しいということよ。」

それは全然大丈夫だけど…やっぱり私ばかりメリットがある様な気がする。


ソフィアは、閃いた様に、

「例えば、研究に支援をして、自国を発展させるような事だと思うよ!」

と言った。


確かに、そういうものだと考えれば良いのかな?よくよく考えれば凄いチャンスかも!

目をキラキラさせた私に気づいたのか、


「たまには良いこと言うわね」

王女様は表情一つ変えずにそう言った。

「うん!そりゃあねー!」 

ソフィアは王女の意図がわからなかった。


「まあ、そういうことだ。そして、これがここでの通貨だ。このくらいあればおそらく不便はないだろう。何か必要なものがあったり、聞きたいことがあったら言うと良い。」

王様がお金をジャラジャラさせた。


ここの通貨がそれくらいで、どのくらいの価値かわからないけれど、さすが王様、お金持ちなんだなぁ。

袋に入っている通貨をかばんの中に入れた。

今日、かばんを持ってきておいて良かった。


ソフィアさんに扉まで送ってもらって、家に帰ることにした。

扉から出ると、もうすっかり夕方になっていて、異世界との温度差にちょっと驚いてしまった。

次行く時は、薄着の上に何か羽織って異世界についたら脱ぐという感じかな。


それにしても、もしかしたら本当にかぼちゃの馬車を作ることができるかもしれない。

そう考えるとワクワクしてきた。


平日は学校があるからなぁ。異世界には、土日に行くことにしようかな?

早く冬休み来ないかなぁ。まだまだ遠いけど。


家の中に入ろうとして、鍵を開けようとするも、全然開かなくて、かなり時間を使ってしまった。


今週やるべき事は、平日の間にかぼちゃの馬車を作るためには何をすれば良いのかを整理する事かなぁ。
























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