第4話 先にお店行きたくなるよね?

なぜ、私がお勧めされたお店の前にいるか。 

だって、料理部として、未知なる世界の食べ物が気になっちゃうんだもん。


もちろん、王城にも行くけどね。


でも一つ問題があった。この世界で私たちの世界のお金が使えるのかという問題だ。

使えなかったら、諦めるしかない。


「あのー、、支払い方法って何ですか?」

「はい?あっ、代金は大丈夫ですよ。初回特典です。その代わり、また来て頂けると嬉しいです。まあまあ、ゆっくりしていってください」


初回特典!?すごっ。


店内はおしゃれだけど、人は少なかった。

穴場なのかなぁ。


テーブルへ案内されると、ふかふかな椅子がそこにあった。

私のお布団といい勝負してるな、これは。

メニューをひらくと、未知の食材が使われているであろう、料理の写真らしき物がずらりと並べられていた。


これは涼風くんが見てたら話が止まらなくなっただろうな。


アリシアは案外落ち着いてそうだなぁ。植物を見たら話は変わるかもしれないけど。

そんなことを考えていると、ウェイターさんに、


「ご注文はいかがなさいますか?」

と言われた。


「えーと、このパフェを1つください」

フルーツらしきものが使われていて、どこかブルーベリーに似ている気がするけれど、メニューいわく、メリーというらしい。


「メリーパフェですね。当店自慢の一品です。少々お待ちください。」


ゆったり食事を待とうとした瞬間、すぐにメリーパフェが出てきた。


「お待たせいたしました。こちら、メリーパフェでございます。ごゆっくりお召し上がりください。」


速っ!

仕事が速い、有能だ。


見た目いいなぁ、私の世界では見ない感じだなぁ。

クリームみたいな物とナッツとメリーが順番に重なっていた。


一口食べてみると、甘味と辛味と苦味と酸っぱさが一度にきて、クリームとナッツの様な物で中和している。 


あくまで中和している。


なのに何故か美味しい。

何で????


気になる〜!!このお店の人に聞いてみたい〜


そんなこんなで十分に楽しんだ…

あっ、王城に行くんだった。 


地図を頼りに王城の門の前まで行った。

街をたくさん見れて、とても良かった。

さっきの門番の流れをまたやるのだろうか。


「ロケットペンダントを見せていただいてもよろしいでしょうか?」

目線が鋭い。

「はい」

「ありがとうございます。どうぞお通りください」

王城の門番だから物凄く真剣なんだなぁ。


王城はとても大きくて、煌びやかだった。

そして、王城の前にはドレスを身にまとい着飾ったソフィアさんがいた。

「あっ、瑠歌ちゃん待ってたよー!思ったより早かったね!」

「ソフィアさん用事があるんじゃ…」

「これが用事だよ?とにかく着いてきてね。迷いやすいから。」


いろいろ謎があるんだけど…

何だかこれにも少し慣れてきたなぁ。


王城は防犯のため、迷いやすい様にできているらしい。何年もここにいる人達でさえ、迷うこともあるらしい。


それにしても広いなぁ。

結構歩いているけれど、全部同じ様な道に見えるし、あとどれくらい何だろう。


「貴族の方たちと王族が話される時はもっとすぐ着くけど、普通の人は知らないところだからね。まあまあ遠いんだ!」

「そうなんですか」

と答えると、ソフィアさんが驚いた様子で、

「タメ口でいいからね!?ごめん忙しくて全然気づいてなかった!」

と言った。


結局、

「はい!頑張る」

と変な返事になってしまった。


それで少しへこんでいると、

「着いたよー!王様、お客様を連れてきたよ!」

とソフィアさんが言った。


王様らしき人が真ん中に座っていて、その周りに何人かの人がいる。リアムさんと、ソフィアさんと、ロケットペンダントをくれた人かな。

「我、王様なんだけど?タメ口はどういうことかなソフィア?」

この王様とても優しい気がする。

王様から怒りをほとんど感じないもん。


「まぁ、とにかくようこそ、我が娘のお客さん。我はジェンティレッツァ・リヴィエール。君がこの世界を楽しんで、そして、この世界に利益をもたらすことを願っているよ。」




























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る