第11話
11話:運命の出会い
「………え!!?」「…え、」
と、千里と千冬。
「…へぇー」
と、頬杖をついてニヤニヤする先生。
「……っ!?」
言葉こそでなかったものの、顔を真っ赤にして驚く日菜子。
が、しばらくして先輩は我に返ったのか、日菜子に向けて話しかける。
「…日菜子ちゃんさ、これから用事ある?俺とーー」
「…ストーップ!先輩!日菜子は今忙しいの!それにいきなりは駄目でしょ〜」
勢いでデートに誘う先輩を、千里が止めに入る。
うんうんと千冬も賛同するように首を縦に振る。
「…あ、そか。そーだよな。ごめんね、日菜子ちゃん。また今度誘うわ。」
へへっと照れたように笑う先輩。
「…は、はい!」
日菜子もドギマギしながら答えた。
続けて先輩が思い出したように問う。
「じゃあ仲良くなる…友達になる印にLINEだけ交換してくれない?まずはコミュニケーションから取らせて下さい。」
少し、いつもより丁寧な口調で先輩は日菜子にスマホを向ける。
画面には、先輩のアイコンが写っている。
「…は、はい!」
日菜子は緊張しつつも、自分のスマホを出して、交換している。
その様子を温かく見つめながら、千里は千冬に耳打ちする。
「…先輩、日菜子のこと可愛いって!先輩も分かってる〜」
(……あ〜)
千冬は、千里の一言で、一瞬で理解した。
(…千里、友達が褒められて嬉しいと思ってる…合ってるんだけど…あれは…)
一目惚れ。
これが正解だ。
千里はそれを分かっていない。
と言うか、気づいていない。
千里は千里を全うしている。
先生はそんな周りの様子を見ながら、パンッと手を叩いた。
「…良し、ラブコメ要素も入ったことだ。恋バナでもするか。」
「「「「…えっっっ」」」」
先生の思いもよらぬ言葉に、生徒4人は驚きの表情を浮かべた。
かくして、女子3人(男子2人)の恋バナが、幕を開けるのだった。
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