第17話


掻き揚げた髪の隙間から白い耳たぶが見えた。



ぎっしりとピアスがささっている。軟骨部分までもある。



ピアスは校則違反だ。だけど僕は敢えて咎めることはしなかった。



咎めたところで「みんなやってることだし」と言い返されるに決まってる。注意するだけ無駄だ。言い返すことも可能だが何だか鬼頭には生気を吸い取られる。ようは諦めた、と言うことだ。



でも僕はちょっと顔をしかめた。



「ピアス……痛くないの?」



「え?ああ」



鬼頭はちょっと考えるように首を傾けたが、すぐに



「平気」と言って目を伏せた。



長い睫が降りて、白い頬に影を作る。



少女のような可憐さと、大人の女の妖艶さを持ち合わせていて、そのアンバランスな色気が妙に色っぽい。




とてもきれいだった。




僕は思わず見惚れていた。



だがすぐはっとなって、



いや、相手は生徒だぞ!




それに僕には好きな人がいるんだ―――




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