第7話


「まこ~」



僕は保健室の扉を開けた。



机の前の椅子に座った白衣姿の保健医、林 誠人はやし まことが細い銀縁のフレームのメガネを直しながらこちらを振り返る。



まこ、とは大学時代からの親友だ。



僕は教師に、まこは医者に。



僕たちはそれぞれ違う目的に進んでも、歩む道は一緒だった。



「何だよ、またさぼりか?」



まこは意地悪そうにちょっと笑った。



「僕がいつさぼりに来た?」



ちょっとムっと顔をしかめると、保健室のベッドに腰掛けた。



今はこの保健室に生徒の誰もいない。まこ一人だけだ。





林 誠人はやし まこと―――



25歳、独身。



彼女いない歴半年。



182cmの長身で、切れ長の瞳が印象的な男前だ。



まこ目当てで保健室にはよく女生徒たちが集まっているが今は保健室にまこ以外誰も居ない。



これ幸いと思って僕は切り出した。





「ちょっと気になる生徒がいて……」




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