第6話
mission5: human body class1
「…さて、訓練をしましょうか!」
ポンッと手を合わせ、笑う。
「…あぁ…。」
反応薄く頷き、椅子に座る。
ここは昨日勉強した図書館だ。
ガラガラとどこから持ってきたのか、ボードを引っ張ってくる。
そこに黒のマジックで"初授業"と上に書いている。
キュ、キュ、と書く音が響く。
とうとう始まる。
彼女を"殺す"ための授業が。
まずは何から始めるのだろう。
やはり、ナイフとか銃とかの扱い方だろうか。
彼女を殺すためには何か使わなければ殺せる自信が無い。
「…まずは、身体について学んで頂きます。」
そう言いながら人体模型を引っ張り出す。
本当にどこから持ってきてるんだろう。
…と言うか、そんな事より。
「…人体の勉強?なんでだ?そこは実技とか…」
「何言ってるんですか、ご主人様。実技は知識と基本が備わってからこそですよ。何も知らないままでやっても、殺られるだけです。…それに、ナイフで殺るにしても急所が分からなければ効率よく殺せません。」
僕の疑問と反論を遮り、諭す。
「…そうか、それなら早く始めろ。早く終わらしたいんだ。」
"全て"。
言いかけた言葉を飲み込む。
駄目だ、駄目。
耐えろ。
彼女が教え、僕がその技術を習得し、その息の根を止めるまで。
彼女の首を掻っ切るまでは終われない。
「…分かりました、ご主人様。」
楽しそうに彼女は微笑んだ。
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