第25話


―――




次の日の朝、



「はよ~」



あくびをかみ締めながら、居間の襖を開けるとマサを含む組員3人が何やら深刻そうな顔をして顔を突き合わせていた。



「あ、お嬢!おはようございやす!!」



「はよ。何話してんの?そんな深刻な顔して」



「お嬢!聞いてくださいよ。昨日の晩、クラブZで乱闘騒ぎがあったらしくて」



マサがあたしを見て勢い込む。



「クラブZっていやぁ、畑中はたなか組のシマだろ?何で乱闘騒ぎなんて」



「それが……」



言いにくそうにマサが口を濁した。



何だよ?はっきりしやがれっ。



「それが、どうやら白虎会の跡目の虎間とらま兄弟にやられたらしいですぜ」



マサの後を引き継いで、タクが言った。



「関西の白虎会、直系虎間組が何で関東に……」



虎間兄弟っていやぁ面は見たことねえけど、噂では凶暴、凶悪、残忍で有名な3兄弟だ。



だけど3兄弟とも腕っ節は確かだとか。



「いや、兄弟じゃなく、実際は一人だったらしいんすけど」



「一人……畑中組っちゃ、あそこは若けぇが屈強ぞろいだろ?全員やられたのか?ホントに虎間兄弟なのか?」



あたしは眉を寄せた。



もし本当だとしたら……



何故関西の白虎が関東の青龍の縄張りにいるんだ!?









「それが……どうやら間違いないらしいです。背中にホワイトタイガーの紋(彫り物)背負ってったらしいですぜ」




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