第24話


―――



その夜は眠れなかった。



いくら広いとは言え、ほとんど見ず知らずの野郎が一つ屋根の下にいるからか?



いや、あいつが何かしてこようとしても応戦(とういか返り討ち)する自信はある。



何ていうか……



得体の知れない何かが、あたしも知らないところでゆっくりと、ゆっくりと侵食してきている。



そんな感じだ。



それがあたしにとってプラスなのか、青龍会を脅かすほどの脅威なのか―――



まだ分からない。






あたしだって好き好んで、やくざ一家にいるわけじゃない。



できれば普通の……どこにでもいる女子高生の生活をしてみたい。



普通に勉強して、普通に遊んで、普通に―――恋をしたい。





だけど、あたしの好きな人は







普通の人じゃないから。






叔父貴―――いや、琢磨……





あたしのこの想いが届く日は……




いつか来るのかな……



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