第6話


白い校舎の前に、掲示板が出されていて表面に大きな白い紙が貼られている。



クラス分けの一覧だった。



掲示板の前には生徒たちの塊ができていて、みんな喜んだり悲しんだり忙しそうだ。



あたしと千里はその群を掻き分けるようにして掲示板の前に辿り着いた。



「ホントだ。リコと…千里も一緒」



今年も賑やかな年になりそうだ。



ため息まじりの吐息を吐き出すと、



強い視線を感じてあたしは勢い良く顔をあげた。








ピンク色の桜が舞い散る中、




男が一人制服のポケットに手を突っ込みながらこちらをじっと見てる。






誰……




柔らかそうなサラサラの髪、線が細いけど不思議に貧弱には見えない体。



直線的な線を描くチタンフレームのメガネ。






え―――?






あたしは目をみはった。






さっきの






うちの庭にいた死体男!



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