第7話


うそ!?



だって、確かに死んで……



何で死体男がここに!?



いや、あの死体男とはそもそも別人なんじゃねぇか?




見間違いかと思って目を擦ったけど、そいつが視界から消えることも、ぼんやりと滲むこともなかった。



足だってちゃんとある。幽霊でもないってことだ。



さっきはメガネをかけてなかったけど、確かにあの顔に間違いはない。






どれぐらいそうやって対峙していただろう。




ほとんど睨みあうように、あたしたちは見つめ合っていた。




やがて男が一歩、前へ踏み出す。



あたしは思わず後ずさりしていた。



男はどんどんあたしに近づいて……





近づいて





出し抜けににこっと笑った。




美っ!美少年じゃねぇか。






「職員室、どこ?」



澄んだ低い声。




「あ、あっち」




あたしはあやふやに職員室の辺りを指さした。



「ありがと」




男は爽やかな笑顔を振りまいて去っていった。



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